第14章 ジャポニズム
1ヶ月がたって、大野の退院が決ま
ったとマークから聞かされた。
マー『これ。 智からの手紙。
片付けてはいたんだけど、スケッチ
ブックに挟んであって気づかなかっ
た。
多分、家に帰ったら渡そうと思って
たんじゃないかな。』
そう言って、その手紙を俺の手に
しっかりと握らせた。
松『…手紙?』
何枚もに綴られた手紙… 手紙なん
て書くタイプじゃないのに。
そう思って自然と涙が出てきてし
まう。
松『俺… ほんとに… 最低だね
……
勝手にヤキモチやいて…
勝手に当たって……
こんなにも……思われてたのに……
それで手放して……たら』
マー『気づいたんならまだ間に合う
だろ。
智のそばにいてやりな。
…思い出してそばにいるのがお前じゃ
なくていいのか?』