第13章 エルロシーオの巡礼
言葉が出ないのかただコクコクと
うなずぎながら涙を流す松本に涼介
は手をとって続ける。
涼『すぐじゃなくても、お前も日本
に戻るんだろ?』
松『…俺がいても、 ……もう俺の
事も
こっちでのことも…
全部智は覚えてないんだよ……
全部……忘れちゃったんだよ。』
涼『じゃあ!、 それで……お前は、智の事
見捨てるのかよ……
ショックで忘れちゃってるだけで
すぐに思いだすかもしれないのに
お前はそばにいてやらないのかよっ
……』
松『……智さんね、
目を覚ました時…… 一番に…涼介
の名前
呼んだんだよ……
昔のこと…覚えてるのに……家族
より涼介の事呼んだんだ……』