第13章 エルロシーオの巡礼
松『智さんーーーー
智さんーーーーーー
なかなか目を覚まさない大野に
ひたすらに呼びかけ続けると日も暮れ
て辺りが暗くなってきた頃ピクリと
反応がして、ゆっくりと目を開いた。
松『智さん! ……良かった
本当に…良かった…今医者呼びます』
そう言って 医者を呼ぼうと握っていた
手を離そうとすると聞こえないような
声で話しだした。
大『あの……
俺…事故にあって…
あなたが…助けてくださった… んですか?
…でも何で俺の名前…?』
え…?ーーーーー
何言って……ーーーーー
俺は動くことも出来ずに ただあふれ
出す涙をとめる事も出来ずに
大野の事を見つめていた……。