第2章 春 出会い
おお!イケメンメガネ!
ってか身長でかっ!
何センチあるのよ!
びっくりして見上げていると男の子は至極面倒くさそうな顔をして口を開いた
「そのボール…」
『へ…?』
「ボール返していただけませんか?それ多分うちの部活のだと思うんですケド?」
と私の持っているボールを指差してくる。
『あっ!はいっ!』
なんで明らかに年下なのに丁寧語?なんて思いながらもボールを差し出す。
「どーも…ってか学校の関係者なんデスか?勝手にフラフラ校内歩いてますけど。」
言われて気づいたけど私明らかに不審者。
桜追っかけて勝手に学校の敷地に進入してるし…
『あー…ごめんね?私この学校の卒業生なんだ。懐かしくてつい…ね?』
苦笑いしながら言い訳のような言葉を呟くと、ボールを受け取りながら長身イケメンがため息をつく。
「それじゃあ不審者デスよ?小さいおねえさん。」
小さい…?
え?
小さい?
確かに身長152㎝しかなくて昔からチビチビ馬鹿にされてきたけど初対面の人にチビって言われるのはちょっと…いや、かなりむかつく。
『ちょっと小さいって言わないでくれない?気にしてるんだから!』
少しだけ語尾を荒げながら言葉を吐き捨てると少年は一瞬キョトンとした顔をした。
しかし次の瞬間口角を上げニヤリと笑いながらとんでもない言葉を発したのだ。
「チビにチビっていって何が悪いんデスか。ちーーさいおねーサン?」