第6章 つかの間のティーブレイク
ケーキが食べ終わる頃には部屋にはオレンジの日差しが差し込んでいた。
アイスティーを飲んでいるとふいに呼ばれたからコップを置いてそちらを振り向いた。
「今日は楽しかったですか?」
『うん楽しかったよ?』
「僕のこと好きになりましたか?」
『…っえ?』
いつの間にかソファーの肘置きの側に押し倒されてる?
『ちょっと蛍君⁉︎』
「油断しすぎだから…
僕が何もしないとでも思った?」
これあれですね?
今流行りの壁ドン?床ドン?
いや、ソファドン。
「いつになったら僕のこと好きになってくれるんですか?」
そういった蛍君の顔は真剣そのものだった。
そのまま顔を近づけてキス…
かと思ったら唇が通り過ぎ耳もとに落ちてきたんだ。
「早く
僕を好きになってください…」
もうだめ
気持ちが溢れる
とどめておこうとした気持ちが弾け
口から溢れた
『すき』