第6章 つかの間のティーブレイク
私たちはまず、ショッピングモールを巡った。
蛍君のお目当てであるスポーツショップまでの道のりでふと見た品物を蛍くんに合わせてみたり、自分に合わせて「似合う?」なんてやってみたりした。
本屋に寄った時に同じ作者の本が好きだってことも分かった。
CDショップでは蛍君のオススメのアーティストを教えてもらったりした。
私の見たいものがあると気づいて声をかけてくれた。
他にも蛍君の事をいっぱい知ることができた。
ご飯を食べた後、歩きながら蛍君オススメのケーキ屋さんに向かっているときに提案された。
「オススメのケーキ屋さんなんですけど2、3ヶ所あるんで色々買ってどこかで食べ比べしませんか?」
「どうせひとつじゃ足りないんデショ?」
昼食少なめでしたしね?なんてズバッと言われてしまった。
わたしの事なんてお見通しと言わんばかりに笑う。
私のことをよく見ていてくれて小さいことでも気づいてくれた。
だからかな。
『じゃあ、うちでケーキ食べる?』
なんて誘ってしまったのは。