第34章 決勝、その後。
side月島
『バレー…楽しい?』
夏合宿の時に木兎さんに聞かれた質問。
あの時は、特に意識して考えたことはなかった。
たかが部活。
日向や、影山みたいにバレーがなかったら生きていけないわけでもないし。
木兎さんみたいにスパイク撃ち抜いた快感?
それもよくわからない。
でも今日の試合で少しだけわかった。
自分の頭で考え、
実行する。
それで相手のボールを叩き落す。
相手が強ければ強いほど
叩き落すことができれば快感になる。
木兎さんはストレートを撃ち抜いた時だとすれば、
『ウシワカを止めてやった時』
それが僕がバレーにハマった瞬間なんだろう。
「木兎さんの言葉を借りるなら…
『バレーにハマる瞬間』…僕もそれがきました。」