第34章 決勝、その後。
蛍君の家に向かい、挨拶をすると出てきたのは蛍君ではなく…
明光さんだった。
明光さんは口元に人差し指を当てて居間を指差す。
私は小さな声でお邪魔しますと呟くと明光さんの後を追って居間に入る。
蛍君は居間のソファで寝ていた。
5セットもしたんだもん。
疲れたよね?
私は、キッチンにいた蛍君のお母さんにすすめられお茶をいただいた。
夕飯の準備中にお邪魔して申し訳ないです…
『お忙しい時にすいません…』
「いいのよ?あと、お父さんがきたら仕上げするだけだから。」
鈴が鳴るようにコロコロと笑う蛍君のお母さん。
「蛍聞いてないうちにいろいろ聞いておかなくちゃ。」
『蛍君のおか「みゆき。」
『え?』
「美幸って呼んで?お母さんなんて照れちゃうから。ね?私も夏乃ちゃんって呼ばせて?」
蛍君のお母さん…もとい美幸さんはニコニコと笑っている。
「で、蛍とはどこまでいってるの?」
心を落ち着かせるためにお茶を飲んでたのが仇になった。
お茶吹き出すところだった。
「ちょっと!母さん!俺もいるんだからね!」
「えー?いーじゃない?」
蛍君が天然だって言ったのがよくわかる。
「じゃあ出会いとか?蛍と夏乃ちゃん年離れてるのに何処であったのかなーって気になる。」
にこにこと笑顔で質問されれば答えないわけにはいかなくて…
『初めて会ったのはゴールデンウィークの時なんですけど…』
少しずつ、話し始めた。