第33章 決勝戦vs白鳥沢
いつの間にかコートの整備が終わり、コートの真ん中にみんなが整列する。
「これより
全日本バレーボール高等学校選手権大会
宮城県男子代表決定戦
宮城県立烏野高等学校 対
白鳥沢学園高等学校の試合を開始いたします。」
他の試合の時にはなかった放送に決勝戦なんだなと実感が湧く。
選手のみんなは左右の観客席にお辞儀をするんだけど、日向君…片方の観客席見て突っ立っている。
大丈夫かな…
コートにはスターティングメンバーを残して他のメンバーはベンチに戻る。
スターティングメンバーは名前を呼ばれるみたいだ。
先に白鳥沢の紹介があり、次に烏野。
「1番、澤村大地」
さすがキャプテン。
落ち着いた風貌。
「3番、東峰 旭」
顔は強面なのに本当にガラスのハートなんだよね。
緊張抑えるために手のひらに人の字書いてる。
「5番 田中龍之介」
緊張はしてるみたいだけど声はしっかり出でるから大丈夫そう。
冴子ちゃんのネームコールも耳に入っていないみたい。
「9番 影山飛雄」
緊張というより早くバレーやりたいって顔でそわそわしてる。
「10番 日向翔陽」
日向くんの試合前の緊張はもう慣れた。
これで試合になるといいプレーしてくれるんだよね。
「11番月島蛍」
名前を呼びたい衝動を抑え拍手をする。
「けいー‼︎」
そう叫んだのは冴子ちゃん。
「『ちょっとやめて!』」
観客席側を見られたくない明光さんとあまり動揺させたくない私が冴子ちゃんを止める。
まあ、蛍君は本当に昨日の夜緊張してたのかって思えるくらい冷静。
「4番リベロ 西谷 夕」
西谷君は心底楽しそうにその場で飛び跳ねる。
流石、烏野の守護神。