第33章 決勝戦vs白鳥沢
ふと周りを見渡すとやはり決勝戦なんだなと思い知らせてくれる。
バレーボール連盟のお偉いさんがいたり、
テレビカメラも何台も入っている。
あの中の一台にうちの編集部のものも混じっている。
昨日編集長に頼み込んだお願いの1つ。
決勝戦では申請すればカメラの持ち込みはOK。
念のため申請書出しておいたのが役に立った。
撮影のために人手を貸して欲しいというお願いを編集長は快く引き受けてくれた。
あともう1つ。
もうすぐくるはずなんだけど…
そう思っているとぽんぽんと後ろから方を叩かれた。
振り返ると長身のそこそこイケメン。
「遅くなりました。椎名さん。」
『遅いですよ…もう試合始まりますよ勅使河原(てしがわら)さん。』
この人は勅使河原 雄大(てしがわらゆうだい)28歳。
俳優の田○圭似の爽やかイケメン。
今日はきっとわたし1人じゃあ今日の試合は追い続けられない。
そう思ったわたしは助っ人を用意。
それが勅使河原さん。
バレー経験者で、烏野のプレーを見たことないからきっとわたしより試合を公平に見れる。
『今日はよろしくお願いします。』
「いえ、椎名さんのお役に立てるなら…
僕と一緒だと試合見るの、気が散りますよね?」
『こちらからお願いしてるのにすいません…』
勅使河原さんはイケメンスマイルをふりまきながら向こうで見てますねーと去っていった。