第32章 春高予選決勝前夜
蛍君が寝室に入るところを見届けて、私はキッチンに行く。
お米を研いで寝室に戻ると蛍君はベッドに腰を下ろしていた。
『お布団に入ってて良かったのに…』
私も隣に腰を下ろすと横から手が伸びてきて抱きしめられる。
『緊張…してる?』
「まあ…」
私が蛍君の頭を撫でると肩に頭をもたれさせてくる。
突き指をしようが腕にアザを作ろうが
頑張ってきたのを私は見てる。
そっと手に指を絡めると蛍君も絡め返してくれる。
『大丈夫…蛍君は負けない。』
蛍君と一緒に布団に入る。
蛍君は私を抱きしめ眠る。
明日、無事に終わりますように
私は蛍君の指に自分の指を絡めながら深い深い眠りについた。