第32章 春高予選決勝前夜
『明日試合….「何もしません。
そばに…いてください。」
緊張…なんだろうか。
決勝という名の大舞台。
緊張しないほうがおかしいか…
『明日の集合時間は?』
「8時…」
『本当に何もしない?』
「……しません」
ここまで言い切られてしまったら否定することもできなくなる。
私はふうと息を吐くと肯定の意味を込めて告げる。
『じゃあ明日真っ直ぐ学校まで送ってあげる。その代わり、明日の荷物まとめて持ってくること。忘れ物完璧にない状態にしておくこと。いい?』
「…はい」
『ここからだと10分あれば着くから準備してて?』
「わかりました。」
電話を切ると私は車を走らせ蛍君の家に向かった。