第30章 代表決定戦2日目
観客席から見ても縁下くんが緊張してるのがわかる。
そんな縁下君に蛍君が声をかけた。
影山君も。
みんなが声をかけてる。
みんなもわかってるんだ。
澤村君が抜けた後は縁下君が入るって。
みんなからの声掛けで調子の戻ってきた縁下君は仲間内へのフォローも完璧にこなしてみせている。
「へえなんか意外…ぱっと見気が弱そうなんだよなぁ縁下。」
確かに町内会の人達と関わる時はどちらかというと控えめ。
そんな嶋田センパイのつぶやきを聞いた冴子ちゃん。
「まっさかぁ」
冴子ちゃんがカラカラとした笑いを発しながら嶋田センパイに言う。
「うちに来てる時の様子じゃあどっからどう見ても2年のドンは力だよ!」
そうそう。
猪突猛進の2年2人を止められるのはウィングスパイカー内では縁下くんだけだし。
最近は曲者の1年生達の手綱も締めつつあるしね?
縁下君が加わりプレーが再開される。
「サッ来ぉぉぉぉぉぉぉおおい!」
縁下君の気合いの入った声が体育館中に響き渡る。
その声を合図に和久南、中島君のサーブ。
縁下君がうまく返し烏野に得点が入った。