第29章 代表決定戦1日目
みんなのところに帰ろっかーなんで話していたら、肩をトントンと叩かれたので振り向くと、青葉城西の子が笑顔を向けている。
「ねーねー、おねーさん?おねーさんって烏野の関係者?」
「おい、及川。失礼だぞ。」
「えー?こんな美人なおねーさんに声かけないほうが失礼だよ!岩ちゃん!で、烏野のチビちゃん、このオネーサン何者?」
流石に日向くんも余計なこと言わないよね…?
「椎名さんは編集部の人で烏野の取材に来てくれてるんだ!…です。」
『ちょっ!日向君! 』
私の個人情報⁉︎
え?取材⁉︎と言わんばかりにみつめてくるので名刺を取り出し渡す。
『○○出版の椎名 夏乃と申します。本日は烏野の取材でこちらに来ています。』
「俺、青葉城西3年の及川徹(おいかわとおる) ?とーるくんって呼んでね?夏乃さん☆」
「及川うぜぇ…青葉城西3年、岩泉一(いわいずみ はじめ)っす。」
徹…一…
って!
『青城の一徹コンビ! 』
この2人、影山君の中学の時の先輩だ!
小さい時から一緒にバレーやってるから試合中も阿吽の呼吸だって。
そりゃあ月バリで見たことあるよ。
有名人だもん。
そして、インターハイ予選で烏野が負けた学校…
「お、俺のこと知っててくれた!及川さんうれしー!ねえねえ夏乃さんメッセ教えてー!」
「及川…」
「こんな美人さんに会えるなんて!烏野のチビちゃん捕まえてみるもんだね☆」
「………及川」
「彼氏とかいます?いなかったら俺と付き合いません?まぁ彼氏いても諦めな「クソ川うるせぇぇぇぇえ‼︎‼︎‼︎」
岩泉くんの蹴りが炸裂する。
「いったぁぁあ!岩ちゃんひどーい!」
私、席戻っていいかな…
「こいついつもこんなんなんで気にしないでいいっす…席連れて行きますんで。」
『ごめんね?岩泉君。よろしくね?』
「ちょっ!夏乃さぁん!れんらくさきぃぃぃぃぃ!!」
及川君を強引に引っ張って連れて行く岩泉君を見送りながら、私は日向君を連れてそそくさと烏野のメンバーのいるところに戻った。
いやー、台風みたいだった…