第28章 ヒミツの特訓?
結局その日は朝日が昇るまで蛍君に付き合わされ昼近くまで爆睡。
部活開始時間ギリギリになった蛍君を烏野高校まで送ったら繋心センパイとバッティング。
「オラァ月島ぁ!椎名といちゃつくために半休にしたんじゃねえぞ!!」
「いいじゃないですか…僕が休日をどう過ごそうが…
あ、独り身の烏養カントクには到底叶わない休日ですもんね?
『独り身』には。」
今日も毒舌キレッキレですね。月島さん…
「今日の練習ブロック練ガンガン増やしてやるからな!」
「どうぞご自由に?」
いやー、嫌味ったらしい笑顔。
そのまま蛍君は部室に向かっていった。
「クッソー…
で、あいつどうよ。自主練はかどってるみたいだな?」
え?
『繋心センパイ、知ってたんですか?』
私だって昨日初めて知ったのに…
「いや、どこでやってるかは知らねーよ?でも、プレーが変わってきてるからな。この前なんか自分より圧倒的に強い相手のスパイク止める方法聞いてきたぜ?」
体育館まで歩きながら話を聞く。
『で、繋心センパイはなんて?』
「とりあえずブロックで1番大切なのは『タイミング』だってこと。あとは手本になるのは音駒の黒尾だってこと。この2つをアドバイスした。」
だからか…
夏休み明けにあった合宿で鉄郎のプレーを食い入るように観察していたのは…
「つか、お前マジで春高予選絶対こいよ!
椎名がいるかいないかで月島の動き全然違うんだかんな!」
『そんなに!』
「あぁ。夏休み最初にあった合宿くらいからだな。
そういやぁ、夏休み明けの練習月島にしてはやけに機嫌いいしプレーもキレがあったな…
なぁ、お前ら…なんかあったか?」
夏休み明けってことはあの東京出張のとき…って…
思い出して顔を赤らめるとそれに気づいた繋心センパイが鬼の形相でこっちをみてる。
「おっ…おま…えら……もしかして…ヤッちま『ちょっと!繋心センパイそれセクハラー!』
耳を塞いで逃げ出した私を繋心センパイが追いかけ、それを見た蛍君と孝支君がいい笑顔で繋心センパイを止める。
見事なコンビネーション技を見せていただきました。
「よーし!練習始めるぞー!」
澤村くんの一声で今日も部活が始まった。