第28章 ヒミツの特訓?
『今更だけど私の家でよかったの?』
部屋の鍵を開けながら聞く。
「別に…夏乃さんのご飯…美味しいし…それに…」
ぱたんと扉が閉まる。
「撮影した時の約束…まだデスから。」
すっかり忘れてた。
「今日泊めてくれませんか?」
泊まりって!
さすがに明日もあるし…
「知ってます?明日日曜日なんです。午前中女子バレー部が体育館を使うらしいので練習は昼過ぎから。」
外堀を埋めていくのがうまい…
『でも急なお泊りなんて親御さん心配するんじゃあ…』
蛍君は携帯を取り出しどこかへ電話をし出した。
「あ、もしもし蛍だけど………うん……でさ、ちょっとお願いがあるんだけど。そっちに泊まってることにしてくれない?…………兄ちゃんうるさい…じゃあよろしく。」
あ、明光さんに頼んで偽装工作したか…
卑怯だ…
「これで親は大丈夫です。」
『着替え、ないよ!』
「替えのTシャツあるんで…」
これは泊めるしかないのか…?
いやいや私考えろ…
何か手はあるはず…
「いい加減観念してください。夏乃さん。」
そういい、部屋の主である私を避けて蛍君は部屋の奥に進んでいった。
これは…決定ですね…
深く深くため息を吐きながら私は蛍君を追いかけ部屋にはいっていった。