第28章 ヒミツの特訓?
走って体育館を出る。
きょろきょろと周りを見渡すと…
私の車の横に蛍くんはいた。
『蛍君…』
わたしは一呼吸おいて、蛍君に近づいた。
蛍君は冷めた目でこちらを見ている。
「兄貴と食事、行くんデショ?」
『じゃあなんでここで待ってたの?』
「別に?なんとなく。」
私はふぅと息を吐くと車の鍵を開けた。
『食事…行くよ?
蛍君と。』
なぜかちょっとびっくりした顔をする蛍君。
「いや、兄貴と…」
『行きません。』
私は微笑んで言った。
『久しぶりに食事に来ませんか?わたしの家に。 』
少し間があったが蛍君は返事をした。
その返事は蛍君らしいもので…
「行ってあげてもいいデスよ?」
だって。
私達は車に乗り込み私の家に向かった。