第27章 怒涛の東京出張‼︎最終日
「こっちにいる間いー天気でよかったねー!」
いまいち乗り気でない声で返事をするとリエーフ君はちょっとふてくされた声で呟く。
「今朝のことむっちゃ気にしてるでしょ?」
リエーフ君に聞かれ、私はうなづく。
するとリエーフ君は私の前に立ち、ちょっと怒った顔をする。
「俺、かのさんにそんな顔させるために告ったんじゃないし!」
そういって私のほっぺを引っ張る。
『ひえーふふん?ひゃへへー!(リエーフ君?やめてー!)』
「俺はかのさんが好きだよ?でも笑ってるかのさんが1番好き。」
「だから笑ってよ。」
リエーフ君がいつもの太陽のようなピッカピカの笑顔で私を見る。
そっか…
わたしばかだね。
いかにも落ち込んでますって顔してたら告白してくれた気持ちも台無しにしちゃうじゃない。
心配ばっかりかけて子供みたいだ。
『ありがとう。リエーフ君。』
私はリエーフ君に向かって微笑んだ。
「でもオレバカだからあきらめ悪いよー?」
そう言いわたしはリエーフ君にだっこされる。
『うひゃっ!』
「こうやって隙を狙ってたりするし。」
私とリエーフ君は顔を見合わせ笑う。
『これが最後よ?』
私はそっと頬に唇をよせる。
『言うの忘れてたね?
好きになってくれてありがとう。』
少し惚けていたリエーフ君はニカッと笑った。
「オレ、将来有望なんですからね?
いつか振ったこと後悔させちゃいますよ!」
『将来地団駄踏んで悔しがってあげる。』
そんな冗談を言って笑うと私を下ろしてくれた。
「そろそろ戻りましょうか?みんなが待ってる。」
リエーフ君は私に手を伸ばす。
『そうだね。いこっか?』
私はリエーフ君の手を取り走り出した。