第23章 怒涛の東京出張‼︎1日目夜編
そこにいたのは一ノ宮だった。
「先輩!写真データ渡しに行くって電話何回もしたのに繋がらなくて…」
そっか、電車乗って移動してたから音切ってたわ…
『うん…私が悪かった…』
一ノ宮がドアの隙間から部屋を覗き込む。
「やけに静かですね?さっきのメンバーいないんですか?」
って言われたので、とりあえず一ノ宮を中に通す。
『今日は蛍君のみ。他のみんなは家がこっちだから帰らせたわ。』
「月島君だけなら静かですね?お邪魔します!」
部屋に入ってきた一ノ宮に蛍君はなぜ来たのかと不思議がっている。
「なんで一ノ宮さんが?」
「さっきの撮影のデータを渡しに来たの!」
『ごめん。私も頭から抜けてたわ…』
うわぁ…
蛍君やっぱり機嫌悪そう…
あのタイミングじゃあ機嫌悪くなってもしょうがないか。
「先輩!先輩!私現役高校生と1対1で話ししたいんですけどいいですか?」
なぜか目を輝かせながら私に飛びつく一ノ宮。
『蛍君がいいなら…』
「僕は大丈夫ですよ?」
2人きり…ってことは私いない方がいいよね。
『じゃあ空いた時間でお風呂はいってくるね?』
お風呂という口実を作り部屋を2人きりにする。
「ごゆっくりー!」
私は一ノ宮の声を聞きながらお風呂の扉を閉めた。