第23章 怒涛の東京出張‼︎1日目夜編
みんなが去った後、私と蛍君はホテルまで移動した。
途中、コンビニに寄って水分とちょっとだけおやつを購入。
蛍君も買い物したみたいだけれど、中で待ってるのもなんだから先に出て、コンビニ前で待つ。
「遅くなりました。」
『そんなに待ってないよ?何買ってたの?』
蛍君はちょっとだけ赤面し、目をそらすと「秘密デス」っていって教えてくれなかった。
やっとホテルに着き、手続きをすませる。
そして荷物を持ってエレベーターに乗る。
エレベーターの扉が閉まると周りの声が遮断され静まり返り機械音だけが響く。
『静か…』
自分の声ってこんなに響くっけ?
そう思っていると、ふいに蛍君の手の甲が自分の手に当たった。
そのまま手をつながれ指が絡む。
そっか…
2人きりなんだ…
人払いをしたのは自分なのに今更2人きりだと気付かされ、緊張する。
「夏乃さん」
呼ばれて顔を上げると唇を奪われる。
「今日…いい……ですか?」
私がうなづくと、丁度エレベーターは目的の階に止まる。
蛍君に手を引かれ私達は部屋に向かって歩き出した。