第22章 怒涛の東京出張‼︎1日目
撮影スタジオに入るとやはりというかなんというか…
周りがザワザワしている。
編集長なんか私を見て大爆笑。
そりゃあね、私もできれば遠慮しておきたいところだわ。
なんで彼氏とペアルックに近い服装で撮影しなきゃならないのよ。
恥ずかしい。
でも、蛍君に「いきましょう」って言われちゃうとなんでか逆らえないのよね…
私達はカメラの前に立った。
まずは手をつなぐところからはじめる。
慣れてきたら少し指を絡ませたり。
正面で抱き合ったり後ろから抱きしめられたり。
座った蛍君の背中から抱きついたり、逆に蛍君の膝の間に座ってみたり。
蛍くんに椅子に座ってもらってそこに覆いかぶさってみたり。
いろんな体勢で、いろんな表情で撮った。
もうすぐ終わりそうだな。
そう思い一息ついたのが蛍君にばれたようで私は抱え上げるように抱きしめられる。
不安定な体勢にびっくりし、両手を蛍君の肩に添える。
『ちょ!蛍君!』
「落としませんから…
夏乃さん
この体制、キスできそうですね。」
顔はかなり近いところまで接近中。
おでこを合わせるとなんだか嬉しくなって笑ってしまった。
「何笑ってるんですか…」
『蛍君も笑ってるじゃない。』
微笑む蛍君を見ていたら
ふわり
私の口から言葉が紡がれる。
『蛍君、好きよ?』
それに応えるように蛍君は優しく微笑んだ。