第22章 怒涛の東京出張‼︎1日目
side月島
「はーい。OKでーす!」
撮影が終わる。
まわりを見渡すが夏乃さんはいない。
ちゃんと見ててって言ったのに…
黒尾さんたちがいる場所に戻ろうとした時、誰かが声をかけてきた。
「ねえ…月島君?ちょっといい?」
一ノ宮さんだ。
「椎名先輩、そろそろ準備終わるから一緒に迎えに行かない?」
準備…?
撮影は終わりなんじゃあ…
そう考えた後、ふと、先ほどまでの違和感を思い出した。
この撮影の責任者は一ノ宮さんじゃないのか?
でも彼女はほとんどスタジオにはいなかった。
他に準備するものがあったんじゃないか。
それも急に。
そういえば、撮影の説明の時含笑いしてたな。
夏乃さんがいないってことは、 それに夏乃さんが巻き込まれた。
考えをまとめて、ため息をつく。
「一ノ宮さん…何考えているんですか?」
「ん?おもしろーいこと。」
そう言い一ノ宮さんはにやりと笑った。