第22章 怒涛の東京出張‼︎1日目
『もうすぐ鉄朗も終わりそうね….次はだれが行く?』
そういうと、す…と手が上がる。
京治だ。
『京治、大丈夫?』
やっぱり緊張しているみたいで表情がこわばっている。
「大丈夫…です。いきますね。」
椅子から立ち上がろうとする京治の方を背中側からポンと叩く。
『大丈夫…京治なら大丈夫。』
するとその体勢のまま手首を持たれ前に引かれ、京治の背中にもたれるようになる。
そのままわたしの手を口元に持ってきて指を囓る。
がりりと皮膚を食いちぎるような音。
鈍い痛みに手を引こうとするが、すぐに痛みは消えそのままチュッとリップ音を立て口を離す。
指は赤みを帯びていて、すぐには元の色には戻らなそうだ。
「跡、ついちゃいましたね?でも緊張取れたんで行ってきますね?」
京治のドS…
歯形つけて喜んでるんじゃないわよ…
ちなみに京治は7部袖のジャケットにストールをプラスしている。
ストールは緩くネクタイのように巻いている。
緊張は本当に取れているみたいでたまに微笑んだりもしていた。
『じゃあ次は「オレオレー!俺が行くー!」
そう手を挙げたのは光太郎。
『光太郎行くの?』
「おう!トリはツッキーにまかせる!」
「勝手に任せないでください…」
そう言って光太郎は笑う。
京治の撮影が終わったことにいち早く気づいた光太郎。
ガバリと椅子から立ち上がる。
「おっ!あかーしおわったー!いってくるぜ。ヘイヘイヘーイ‼︎」
そう言いながら光太郎は、ダッシュでカメラマンさんの前に走って行った。