第3章 初夏 再開

side月島


『いいの？やった！』

なんて椎名さんは俺の横ですごく嬉しがってる。

さっき怒った顔してたから正直焦った。

初めて会った時からなんていうかすごく存在感があった。



気にならない…って言ったら嘘になる。

それにきっと今、顔赤い。



でも態度には出してやらない。

いつもより少し緩んだ表情筋を隠すため、僕はそっぽを向いた。


『でも、本当にいいの？』

なんて椎名さんが再度聞いてくる。



「いつもの僕」で強気に攻めてみよう。



なんて思いながら口端を上げ、僕は笑う。

素直になれない僕なりのyesの形






「行ってあげてもいいデスよ？」