第3章 初夏 再開
ーーオレ、椎名さん名前で呼ばれたいです。
突然の菅原くんの提案にちょっとびっくりしながら答える。
『特別扱いみたいになっちゃう「特別扱い…してください」
真剣な顔…
少し考えるがふうと息をつき菅原くんに向き合う。
『わかったわ。す…孝支くん。』
すると孝支くんはニコッと笑ったかと思ったら前にいた東峰君の後ろまで走り脇腹にチョップをかました。
そんな光景を見ながらつい笑っているとすっと横に誰かが並んだ。
横を見ると眼鏡越しに目があった。
『月島くん、どうしたの?』
声をかけてみるが見事なまでに何も返ってこない。
だんまりの状況にだんだんじれったくなり口を開こうとしたとき突然上から言葉が降ってきた。
「チビって言ってすみませんでした…」
やっぱりあの時からかったのが私だってわかってたんだ。
あ、イライラ再浮上
『許さない…って言ったら?』
意地悪な心が芽生えついつい怒ったような口調で接してしまう。
我ながら大人気ない。
「すいません…『許して欲しいんだったら、それ相応の態度ってものがあると思うんだけど?』
少し怒りを含めたような口調で呟く。
「何ですか?」
少し困った顔をしながらこっちを見てくる月島くんに私はちょっとした提案を持ちかけた。
『ケーキ』