第20章 春高予選!一次‼︎
私は仁花ちゃんと一緒に階段を駆け下りた。
『みんなお疲れ様!』
そう声をかけると日向くんがびょーんと跳ねる。
「オレたち勝ちました!」
『日向君のスパイクすごかったよー!』
なんて話をしていた。
すると急に後ろに引っ張られ、誰かに当たる。
振り向かなくてもわかる。
「ちゃんと見てた?僕のこと」
やっぱり、蛍君だ。
『ちゃんと見てたよ?スパイク決めたところもボールブロックして相手コートに叩き落としたところも。』
ポンと頭に手を置かれ撫でられる。
「ならよし。」
ぐしゃぐしゃと撫でられせっかく綺麗に整えてきた髪の毛は酷い有様になる。
『ちょっと!今日仕事できてるの!』
「僕の手の置きやすい場所に頭があるのが悪い。それに…」
頭に手を置かれたまま
にやり
と、笑う。
「嬉しくないの?僕に撫でられて」
頬が染まるのを感じ、その手を振り払う。
『それとこれは別の話です。
もう…トイレ行ってくる!』
私はトイレにいき髪の毛を整えた。
戻ろうとドアを開けると目の前を明るい緑のユニフォームが通る。
1人だけ異様な身長の大きさ。
抜きんでて大きい。
会場に戻り、情報を入手するとさっきの選手の身長…2m…
2m⁈
角川(かくがわ)高校。
この学校が勝ち上がれば次はこことの試合だ。
烏野のみんなのところへ戻ってみると仁花ちゃんと日向君が怯えていた。
「2m…」
軽々ブロックを追い越す身長。
東峰君が言った「身長が凶器」の言葉がぴったりだ。
試合終了のホイッスルが鳴る。
勝ち上がってきたのはやはり2mの子がいる角川高校。
ここを倒さなければ代表決定戦には進めない。