第20章 春高予選!一次‼︎
澤村君が部員に言った。
「次の試合を勝てば一次予選突破で10月の代表決定戦へ進める。
絶対突破するぞ!」
みんなは気合を入れて返事をする。
返事はするが…
やっぱり2mはデカイ!怖い!
「うぅ…2mはでっけえなぁ…」
怯える日向くんに私はフォローをするように話しかけた。
『私なんて50センチ近く差があるよ…』
ちょっとだけ日向君のテンションが上がる。
「俺163cm!だから…」
「いや、162って言ってなかった?」
蛍君、的確なツッコミだけど!
言わないであげて!
そう心の中で思っていれば横から山口くんの声。
「201cmと162cmか…」
「四捨五入すればおれは163cmです!」
ほら、日向君ムキになってるから…
「201cmと162cm…40センチ差か…」
「聞けよ!」
わかるよ…
身長小さいと1センチって大事だよね?
そんな中、仁花ちゃんが必死にフォローに入る。
「40センチなんてキーティちゃんと同じサイズだよ!
そんなに大きくないよ!」
キーティちゃん…あのネコのキャラクターね…?
「テカチュウもたしか40センチ…」
あの、電気技が得意なポケットのお友達…
「フジクジラも…」
もうキャラクターですらない!
って蛍くんは良くわかるね。
「なにそれ!」
「サメの一種」
フジクジラってクジラなのにサメ⁉︎
「おおおっ…!」
「ツッキー博識!」
びっくり&関心している山口くんと仁花ちゃんの隣でげっそりしている日向くん。
「オレ…フジクジラと合体したい…」
フジクジラと合体してもどうにもならないような…
影山君は呆れた声を上げている。
「フジクジラと合体すればおれは2mだから…」
「おい、何を言っている。
お前本気でびびってんのか?」
「『え?』」
日向くんと私が驚いたタイミングで、
会場の笛が鳴り響く。