第20章 春高予選!一次‼︎
2セット目。
日向君のスパイクが決まる。
みんなの攻撃が決まる。
どんどん点を決め相手を突き放していく。
烏養監督の隣にいたおじさまが烏養監督に話かける。
「あの9番10番の一年コンビすげーよなー。」
それに対し烏養監督が答えた。
「いやしかし、2、3年が予想以上だ…
今烏野に復活の兆しがあるのは、熱心な顧問や新しい戦力の活躍が大きい。
だがその活躍も『基盤』がしっかりしているからこそだ。」
まだまだチームに入りたてである1年生達が活躍できるのは、基盤を作ってくれている2、3年生の力があるからこそなんだ…
烏養監督が続けた。
「去年、ほんの短期間烏野で練習を見たことがあったんだが、その頃の奴らには実力も根性もあんのにどこか自信のなさを感じたんだ。
無意識のうちに負けることに慣れているというか…」
勝つことに対しての…諦め?
「今の3年連中が烏野に入ってきたのは烏野が強豪と呼ばれた時代がちょうど過去になった頃」
ちょうどあの言葉が言われていた頃。
「落ちた強豪」「跳べないカラス」
「憧れと現実のギャップもあっただろう。
一番不遇な時代にいた連中なんだろうな…
だからこそ、
腐らずに来た連中には『簡単に揺るがない強さ』がある。」
簡単に揺るがない強さ
それを証明するかのようにみんなは戦っている。
どんなにスパイクを打たれても拾う力がある。
どんなに攻撃されても負けじと打ち返す力がある。