第19章 最後のワガママ
私とは蛍君と体を離した。
ふと、蛍君を見ると紫のTシャツにジャージ。
家に来るときはいつもお洒落してくれてるから、本当に急いで来てくれたんだなって嬉しくなった。
そのことを言ったら「別に…」って言われちゃった。
部屋に入りソファーに2人で腰掛ける。
『孝支君に告白されたの』
蛍君が目線だけを下げて私を見つめる。
「それで?」
『断った。
私には蛍君がいるでしょ?』
そっとソファーに膝立ちになり、蛍君の柔らかな髪の毛を撫でる。
『私は蛍君がいいの。』
真っ暗な室内でも蛍君の頬が染まるのがわかる。
『照れてるの?』
「照れてないです」
顔を隠しながら否定するけど、そこが可愛い。
『ねえ、蛍君』
「なんですか?」
『明日、頑張ってね?』
「まぁ、ほどほどに…」
ちゃんと頑張るくせに。
そういうところがあまのじゃくなのよ。
『じゃあ頑張ったらさ?
うちに泊まりに来る?』
長い沈黙の後…
「まぁ、頑張らなくはないケド…?」
もう少し素直になればいいのに…