第3章 初夏 再開
「「「東京?」」」
東京の言葉を聞いたみんなは嬉しそうな顔をして武田先生の顔を見る。
「東京ってもしかして…音駒…ですか!」
「練習試合っすか?」
日向くん、影山くんがぐいぐいと前のめりになりながら先生の話を聞く。
それを見た武田先生は、鼻血を拭きながらにこりと笑う。
「でも今回は音駒だけじゃないんだ
梟谷学園グループ。音駒を含む関東の数校で出来ているグループで普段から練習試合などを盛んに行っているそうなのですが、
今回猫又監督の計らいでその合同練習試合に烏野も参加させてもらえることになりました!」
先生の言葉にみんなは喜びを爆発させているが私は頭がついていかない。
え?
ねこ?ふくろう?
動物園?
いや、音駒は知ってるけど…
訳がわからなくてキョロキョロしていると横にいたマネージャーの潔子ちゃんが教えてくれた。
昔、烏野にはライバルのバレー部があった。それが東京の音駒(ねこま)高校。
カラスとネコだったからごみ捨て場の決戦っていって盛り上がってたんだ。
でも最近は烏野の監督をしていた烏養監督(繋心センパイのおじいちゃんね?)が引退しちゃって疎遠になってたのを武田先生がラブコール…いや、すごい勢いで電話しまくって頼んでくれたおかげでゴールデンウィークに烏野で試合をしたらしい。
で、今回は音駒だけじゃなく何校か学校が集まって合宿…とのことだった。
潔子ちゃんから説明してもらってる間に武田先生は「職員会議だからー」とまた走って体育館から出て行った。
合宿と聞いたみんなの顔はきらきら、きらきら、すごく輝いて見えた気がした。