第15章 合宿の夜は更けていく
「僕のは…食べないんですか?」
『蛍君もいいの?ショートケーキ大好きなのに?』
蛍君はこくりと頷くとおもむろに自分のケーキのクリームを指で掬い、私の目の前に差し出す。
「舐めてください。」
『え?』
あれ?
「他の人の言うことは従っているのに、僕の言うことは聞いてくれないんですか?」
周りを見渡すとみんながニヤニヤしてる。
ちょ!みんな!
周りみんな敵⁈
味方皆無⁈
「ねえ…
僕の…欲しがらないんですか?」
ぞくり
射抜くような高圧的な目
歪んでいてそれでいて笑っているような口元
否定できない
そんな空気に思わず蛍君の指先を口に含んだ。
「イイコですね。
ちゃんと綺麗に舐めとってくださいよ?」
なんだろうこの羞恥心は
頬が朱に染まる
周りに人がいるのに
止まらない
視線が
声が
指が
私を犯す
無我夢中
まさにそんな感じ
私は蛍くんの指についていたクリームを全て舐めきった