第15章 合宿の夜は更けていく
『ごちそうさま…でした…』
恥ずかしくて下を向けば、強引に蛍くんのほうを向かされる。
「夢中でしたね?」
ニヤリと笑われるが何も言い返せない。
『だって…蛍君が…』
「僕が…なんですか?」
『意地悪…』
「いい空気のとこ悪いんだけどさ…」
黒尾くんの声に振り返るとみんな心なしか顔が赤い。
「なんですか?みなさん。」
「なんつーか…夏乃サンの表情っつんかなんつーか…」
「要するにこの空気でこの3人がおっ勃 「言わせねーよ‼︎‼︎」
黒尾君必死…
「ちょ!あかーし!鬼畜‼︎」
「椎名さんが悪いんすよ?そんなエロい顔するからー!」
そう、3人が言い訳がましく言う中、張本人である蛍くんはため息をつき、3人に言い放った。
「こんなんで勃たせるとか…なんですか、万年発情期ですか。」
「ツッキー!オブラートに包んで!」
「残念ですね、黒尾さん。そんなもの持ち合わせてないんで。あとツッキーって止めてください。」
「ツッキー!ひどい!」
だめだ…
だめだ…
これは耐えられない…
『…っ……くはっ!』
みんなの会話っていうか、テンポっていうかもう全てにおいて面白くて、私はお腹を抱えて笑っていた。
『だめだ…お腹痛い…死ぬ……』
周りのみんなが引くくらい笑った。
笑いすぎて腹筋痛い。
『なんかこういうの幸せだな…』
涙を拭きながらそう呟くと、みんなが首を傾げている。
『いやなんていうのかな…学生のノリっていうのかな?
みんなで集まってワイワイってやつ?…久々だから楽しくて。』
お腹抱えて声出して笑ったの、何年ぶりだろう。
「そうなんですか?」
『うん。学生の間だけだよ?』
社会に出て作り笑いが増えて、こんな風に笑うことも少なくなったなぁ。
『サイコーの誕生日プレゼントありがと!』
みんなに笑いかけるとみんなは思い思いの笑顔を私に返してくれたのだった。