第14章 夏の長期合宿3日目‼︎
『こんばんはー!見学させてくださーい!』
そう、体育館に顔を出せば、みんながこちらを向く。
「椎名さんこんばんは。」
ぺこり、赤葦くんが頭を下げる。
その後ろで木兎くんがぐーんと腕を伸ばした。
「おー!オネエさん!」
「椎名さんな?」
みんな慣れたものでこっちを見ながら挨拶を…って木兎くん、私の後ろ見てる?
「お?しーなさん今日は仲間連れか?」
『え?仲間?』
仲間って誰だろう。
後ろを振り向くといつの間にか来ていた日向君が体育館入り口から覗く。
「相棒はどうしたのさ?」
『さっき狐爪君にトス上げてもらいに行ってなかった?』
蛍くんと私が日向君に聞くと日向君はクシャッと笑いながら答えた。
「影山はまた一人で練習!研磨はトス上げてもらおうとしたら5本で逃げられた。」
まぁあの子は基本蛍君と一緒で無気力だから…
狐爪君の幼なじみらしい黒尾君も、「研磨が5本も自主練に付き合っただけでもすげーぞ!」って言ってるしね?
「だから」
「「俺も入れてください!」」
日向君とあとから来たリエーフ君の声がかぶる。
いつの間にか日向君の隣にはリエーフ君がいた。
「リエーフ!」
『リエーフ君!』
「あ!日向!椎名さん!」
リエーフ君は私を見つけるやいなや投げキッスを飛ばし黒尾君に殴られている。
黒尾君が呆れながらリエーフ君に聞く。
「お前確か夜久の所でレシーブやってたんじゃないの?」
「俺今日は優秀だったんで早めに見逃してもらいました!」
敬礼をしながらニコニコ笑うリエーフ君を見ながら黒尾君がニヤニヤする。
「本当か?脱走してきてねーよな?」
脱走って…
でもリエーフ君動揺してる。
「まさか!そんな!」
黒尾君は動揺したリエーフ君を見ながら呆れたように笑っていたがふと気付いたようにみんなに声をかけた。
「じゃあ人数ちょうどいいから3対3やろうぜ!」