第13章 夏の長期合宿2日目‼︎
辺りがシンとなる。
にらみ合う2人。
空気がピンと張り詰めているようだ。
それを打ち壊したのは意外にも蛍君だった。
「まさかこんな日が来るとは」
その声に山口君はびっくりしたのか胸倉を掴んでいた手を離した。
蛍君はククッと笑っている。
そして山口君をみてこう言ったんだ。
「お前いつの間にそんなかっこいいやつになったの…」
山口君…びっくりしすぎて変な顔になってるよ?
「お前かっこいいよ。」
吹っ切れたように笑う蛍君。
安堵しているとふと蛍君の表情が変わった。
「でも納得はできない…ちょっと聞いてくる。」
そう言うと蛍君は向きを変えどこかに歩いていってしまった。
山口くんもそれを見て他の体育館に向かったようだ。
多分山口君は大丈夫。
やりきった。そんな表情をしていた。
今心配なのは蛍くん…かな?
私は蛍君が向かった方に走った。
蛍君が入って行ったのは、昨日お邪魔した第3体育館だった。