第13章 夏の長期合宿2日目‼︎
外が暗くなってきた。
時間的に今行っているのがラストのペナルティ。
烏野メンバーが坂道ダッシュをしているのを眺めていたら、1人明らかに遅れているのに気づいた。
蛍君だ。
山口君が心配そうに声をかけているが先に行くように促している。
ふと思い出したが、休憩の時も、スイカを食べていた時もあまり食べたり飲んだりしていなかったような…
体調悪いのかな?
そんなふうに思い、スポーツドリンクのボトルとタオルを潔子ちゃんからもらい、私は蛍君に駆け寄った。
『お疲れ様!大丈夫?』
「大丈夫…」
『もしかして、体調悪い?』
そう聞き返すとタオルとボトルを受け取りながらぼそりとつぶやく。
「寝不足なだけです…」
そう言うと蛍くんは仲間を追うように坂道を下っていく。
目も合わせてくれなかった。
落ち込む気持ちを無理やり上げ、残された私も坂を下って行くとちょうど木兎君が蛍君をスパイク練習に誘っていた。
しかし蛍君は断ってしまったようで木兎君は黒尾君と体育館を出て行ってしまった。
そのまま部屋に戻ろうとした蛍君に日向君が絡む。
「なんで⁉︎お前梟谷のエースの人と知り合い⁉︎なんで断っちゃうの⁉︎もったいねー‼︎」
蛍君はため息をつき日向君を制しながら自分のタオルを拾う。
「うるさいな…僕は君と違ってスタミナ馬鹿じゃないんだよ。」
日向君はなんだよ!って怒っているのに蛍君は構わず体育館から出て行ってしまった。
日向くんはイライラを近くにいた山口くんにぶつけていた。
「月島、梟谷のエースの人が練習誘ってんのに断ってるんだぜ!信じらんねー!」
山口君は少し悩んでいたが日向君に向き合うと、声をかけた。