第13章 夏の長期合宿2日目‼︎
午後に入り暑さも増してきた頃、試合を見ながら繋心センパイが武田先生に話しかけていた。
「なあ先生。先生は月島どう思う?」
武田先生は首をかしげた。
私も話を聞きたくて話に混ざる。
「…真面目にやってる…とおもいますけど?」
「『合格点をとっていても100点を目指さない』って感じなんだよな…月島は。」
繋心センパイはフーっと息を吐き言葉を続ける。
「別に熱血を求めてるワケじゃねーけど、このまま実力で抜かれていくならレギュラー替えることになる。
コートに立つのは試合で”勝てる”メンバーだ。」
繋心センパイは試合中のコートを見つめ厳しい顔をしている。
「貴重なチーム1の長身だ。月島がブロックの要になってくれれば守備のレベルがぐっと上がるんだけどな…」
『大丈夫ですよ。』
唐突に声を発すると2人がこちらを見た。
『月島君、自主練には参加してませんでしたがずっと何か悩んでました。彼も彼なりに何かしら考えていると思います。きっと春高予選までには篭っていた殻を破るんじゃないか…って思いますよ?』
ただのカンですけどね?なんて付け足すと急に繋心センパイに肩を掴まれ、「やっぱりお前らなんかあっただろ」と凄まれてしまったがひらりとかわし、私は他のチームの見学に走り出したのだった。