第13章 夏の長期合宿2日目‼︎
田中君はふと思い出したように身を乗り出しながら話を始めた。
「あ!ソレ関係あるかわかんないすけど、うちのねーちゃんが月島に兄ちゃんいないか聞いてきたんすよ。
小さな巨人がいた時代にチームに長身の月島ってやつがいたって言ってて。」
「え?小さな巨人と同じチームに月島の兄貴が⁈」
烏野がいちばんの強豪だった時代に蛍君のお兄さんが?
「もしかしたら苗字が同じだけの別人かもしれねーっすよ?」
ねーちゃんの言ってることアテになんねーしなんて言いながら田中君は先に体育館に戻った。
私は考え事をしながら無意識に話をしていた。
『蛍君…ちょうど合宿前にお兄さんが家に帰ってきたって言ってたなぁ』
「「え?」」
不思議そうにこっちを見る3人。
『それで家にいづらいって合宿の集合前に私の家に……あ。』
3人を見ると黒尾君はすごくニヤニヤしてるし、澤村君と東峰君はすごい顔でこっち見てるし…
やば…
『えっと!それには事情があってね?えっとね?……ごめん…みんなには黙っててくれるかな…』
失言でした。
黒尾君はケラケラ笑ってるし、澤村君東峰君はフォローをしてくれて…
あわあわと口止めをしていると孝支君が「そろそろ始まるぞー」なんて声をかけてくれたので私はみんなが食べていたスイカの皮を回収するために立ち上がった。