第10章 雛鳥たちの変化と葛藤
日を追うごとにばらばらだったみんなの息が少しずつ少しずつ合ってきた。
でもまだまだ足りなくて
がむしゃらに練習をする
熱い体育館で
汗を流し
お腹を空かせ
ただひたすらにみんなは
練習に打ち込んでいた。
数日後烏野高校は夏休みにはいった。
朝から晩までみんなはバレー漬けになっている。
私は取材に行く際に頑張っているみんなに差し入れを持って行ったり、潔子ちゃん達と一緒におにぎりを作ったりした。
私ができることはそれしかなかったから。
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その日は、あっという間にやってきた。
東京遠征2回目前日。
練習が終わると、みんなは武田先生の周りに集合する。
「明日から再び東京遠征です。今回はまるっと1週間!
長期合宿は春高予選前最初で最後です。」
「悔いのない様、このチャンスを貪り尽くしましょう。」
返事をしたみんなは、気が引き締まった顔をしていた。
明日は前回の合宿と同じ夜中に出発なので明日の部活は休み。
私も準備があるため明日から仕事を休みにしてもらっていた。
珍しく蛍君は今日は家に寄って行かなかった。