第1章 家出しました。
「ほんっとうざいのよね、あのおばさん。」
文句を言いながらズンズン進んでいくと、森の入り口が見えました。すると、
「え、ナニコレ」
(入るときは部屋を明るくしてはなれて見てね)
という謎の看板がありました。
「いや、入るときじゃなくてテレビを見るとき、でしょ」
偶然そばにあったマジックペンを手に取ってぐにゃぐにゃな線を引き、女性とは思われぬ汚い字で書き直しました。
「何か言った?」
誰もいないのに白雪姫はそう問いかけました。
「...まぁいいわ。言っても無駄ね。」
白雪姫はズカズカと森の中に入ってゆきました。