第4章 ボクと天蓬
そんな天蓬の言葉に捲簾は、ブスッとしたままそっぽを向く。
天蓬はそんな捲簾に苦笑してこちらを見ると、やれやれという風に肩をすくめた。
この二人、見た目というか表面上は合わなそうな雰囲気をしているが、とても仲がいいらしい。
……しかしだ、二人が仲がいいのはとても結構なことだがボクには如来に頼まれた使いがあるのだが、この二人はそのことを分かっているのだろうか……?
この場所に来てから、捲簾に絡まれて実は結構な時間がたっているのだ。
このままでは帰りどころか、頼まれごとを完了すること自体が遅くなってしまう。
蘇芳「……そろそろボクは行っていいか? まだ使いの途中なんだ」
ボクが言うと、2人はこちらを見てじーっとお互いに顔を見合わせる。
一つうなずくと二人はにっこり笑ってボクの手をつかむ。
捲簾・天蓬「大丈夫、俺(僕)ら送って行ってやる(差し上げます)よ」