第14章 虹のカケラ <双子5歳>
キョトンとした顔で3人を見あげる双子。
「ごめん、ちょっと難しかったかな?」
翔が和也の手をぎゅっと握る。
「いいよ、全部わからなくても。
でもね、無理もしなくていいから」
雅紀が双子の頭をポンポンと撫でる。
「大丈夫、俺たちが味方だから!」
潤も智の手を握る手に力を入れる。
その力強さに安心したような顔をする双子。
「あのね、おとまりほいく、たのしかったんだよ」
「みんなとねおかいものにいったの!
さと、おさいふががりだったの!」
「ぼくはさがすかかり!
でね、ぷーるのおふろにはいったの!」
「みんなでちゃっぷん、たのしかったの!」
吹っ切ったように楽しかったことを話し始めた双子に翔たちの顔も自然に綻ぶ。
「あ!」
「みて!」
本屋までの道すがら智と和也が揃って立ち止まって空を指した。
「お、すげー」
「ほんとだ!めっちゃ大きいじゃん」
「よく見つけたね、ふたりとも」
同じように空を見上げた大人たち。
頭上には大きなハッキリとした虹がかかってた。
それをみて何だかわかないけどきっと大丈夫と確信した翔たち。
嵐のあとには虹が出る…。
きっと大丈夫!
<虹のカケラ <了>>