第13章 バレンタインデーキス <双子5歳>
「また沢山もらっちゃったのね…チョコレート」
「どうせ潤もだろ?」
「まぁ…ね。きっと雅紀も同じだろうね」
学生時代からモテまくってる3人。
バレンタインデーは貰った分だけ返さなくちゃいけないからめんどくさい。
しかも最近は子どもたちにって言ってくる人もいて断りづらくもなっていて…。
「しばらく晩酌のお供はチョコレート…だね」
悟りきった顔で潤が言った。
この日、病院から戻ってきた雅紀もそこそこの量のチョコレートを持って帰ってきた。
曰くこれでもだいぶ減ったそうだ。
病院内で【儀礼禁止】の文書が出たらしい。
まぁそんなもの強者ナースたちには効かなかったみたいだけど…。
子どもたちにとってはまだまだ楽しいバレンタインデー。
でも大人にとってはちょっぴり苦いバレンタインデー。
きっと双子もそのうちこの苦さを味わうんだろうなぁと想いつつ、かわいい寝顔を見て癒される3人だった。
<バレンタインデーキス<了>>