第11章 ハッピーバースデー大作戦 <双子12歳>
大騒ぎだった中学受験もなんとか終わり、制服だ学用品だ、課題だとバタバタしながらも終えた卒業式。
成長した智と和也のスーツ姿に翔たちが涙を拭ってたのは公然の秘密。
近くにいた保護者はイケメンキャスター櫻井翔の涙を自分の子どもたちよりも真剣に見てたとか見てないとか…。
そんな伝説を残しつつ終わった小学校生活。
そして…桜の舞う中、迎えた入学式。
双子は揃って第一志望だった学校に…落ちてしまい、縁のあった学校に揃って入学することになった。
それまで何をするにも一緒だった二人。
でもそれぞれの希望する学校は違ってた。
翔と雅紀の母校を第一志望にしていた和也と潤と達也の母校を第一志望にしていた智。
二人とも両校の試験に臨んだが結果は希望と反対になってしまった。
翔たちの母校に智のみが潤たちの母校に和也だけが受かった。
親である翔たちも望んでいなかった結末に智と和也が選んだ結論は二人とも合格した滑り止めにしていた学校だった。
12歳の二人に嚴しい現実を突きつけた中学受験。
二人以上に落ち込んでた大人たちを励ますように笑った二人の顔が翔たちには至極眩しかった。