第3章 a day in our life <双子2歳>
突然、体の上にドスンという衝撃とともに暖かいものが落ちてきた。
…?
テレビ日本の人気キャスター、櫻井翔の朝はだいたいこんな感じの衝撃とともに始まる。
「ぱぱぁ…しょーちゃ?おっきよ〜」
落ちてきた衝撃のもとは…彼の息子。
かわいい声で父親を起こす。
「んー?智?」
まだ眠い彼は息子を抱きしめてそのまま再び眠りに落ちようとする。
「ぱぱぁ〜、あ〜さ〜よ〜
こけこっこーなの」
かわいいニワトリさんだが、眠りへの誘惑の方が大きい。
しかし使命感に燃えた息子は冷たい手を容赦なく父親のTシャツの隙間に潜り込ませる。
「お〜き〜て〜」
「うわっ冷たっ」
一気に目が覚めた翔はその冷たい手を包み込む。
「智?どうしたのこの手?」
どうしたと言われても答え様のない息子はニコニコしながら、ようやく起きた父親に話しかける。
「まーくん、ごはんって!した、きてって」
どうやらすでに朝食の準備もできているようで…。
雅紀が準備の間に起こすように言ったんだろうなぁと思う。
「あっ、智、和はどうした?」
「かじゅ、じゅんくんのとこなの」
にっこり笑いながら自分の片割れの所在を明かした。