第6章 ボクラノリアル <双子5歳>
「うん、したよ、ねぇ、智?」
「うん、涼ちゃんに『いーいーよー』って言ったの」
笑顔で言う二人に翔は安堵の目を向ける。
「それならまた、楽しく遊べるね?
お友達は大事にしないとね?」
そう言う翔に智と和也が力強く頷いた。
食事を終えた智と和也は二人で遊び始めた。
「だめー」
「それ、和の!」
仲良くしてたかと思えばすぐぶつかり、
でも次の瞬間、仲直りしてる。
そんな様子をダイニングから翔と潤が眺めてる。
「なかなか大変だったみたいだね?ありがとね?潤」
「どういたしまして。なんか二人の成長が見れた感じで案外、得した気分だよ?」
「確かに成長したよね?ああやって二人で遊んでられるし…来年は年長だもんな。
保育園生活もあと1年ちょっとか…」
「なんか寂しいよね?」
潤が嬉しいような寂しいような複雑な表情で言う。
「保育園にはほんと、世話になってるもんな?」
そういう翔の表情も寂しげだ。
そんな二人の心境を知ってか知らずか?双子が元気に声をかける。
「パパ、今日はなにして遊ぶ?」
「公園がいい!」
そんな二人に翔と潤はにっこり笑う。
「じゃ、お手伝いしてくれる?
それ終わったら行こうか、公園?」
翔の一言に「やるー」と元気な返事の二人。
「よし、まずは洗濯物をたたむよ?」
家事隊長の潤の掛け声でバタバタと動き出す。
こうして今日もいつもの土曜日が過ぎていく…。
<ボクラノリアル <了>>