第6章 ボクラノリアル <双子5歳>
夕方、いつものように保育園の迎えに出掛ける潤。
よっぽどの事がない限り、夕方は潤が担当になっている。
逆に翔は朝が担当。
雅紀はシフト次第で翔や潤の代わりをすることもあるがそんなには頻繁には迎えに行けない。
雅紀の送り迎えは智と和也にとってはちょっとしたイベントだったりする。
朝夕のリズムが出来上がって生活も随分落ち着いたと思う今日この頃。
乳児クラスのころみたいに頻回のお迎え要請もなくなった。
子どもたちの成長を、色々な部分で感じている昨今。
とはいえ悩みが無くなることは決してない。
成長と共に常に悩みは生まれるものである。
いつものように保育園近くのショッピングモールの駐車場に車を停めた潤。
車は去年、買い換えたボルシェのカイエン。
弁護士としての仕事もすっかり軌道に乗り、多少の箔つけもある。
前の車は双子が家に来たタイミングで買ったからなんだかんだで5年近く乗った。
そろそろ替えたいななんて思った潤が、智と和也に選ばせた。
そのせいか、双子はこの車をいたく気に入ってた。
チャイルドシートは当然のように後部座席に置かれている。
今のやつで2代目、もう少し二人の体が大きくなったらブースタータイプに変えるつもりだ。
いつもの道を通り保育園へと向かう潤。
途中で会って会釈する相手の数もだいぶ増えた。