第5章 Fantastic Version <双子2歳>
「えーっと、じゃ、櫻井さんこれのレポートお願いします」
そう言ってADの中島くんが俺にスティッチのポップコーンバケツを手渡した。
キューサインが出るのを確認にて喋り始める。
「まずは定番のポップコーンからご紹介します。
ディズニーに来るとまず、これを買うという方も多いのではないでしょうか?
まもなくオープンするスティッチの新アトラクションに会わせて出たのがこちら」
スティッチのバケツが大写しにされる。
「かわいいですよね?
まるでスティッチがポップコーンを食べてるみたいです。
こちらのほかにトゥモローランドでも扱ってるそうです」
一呼吸置いて、カットの声が掛かった。
「櫻井さんお疲れ様です。
次の場所に移動します」
中島くんが言う。
「中島くん、これどうするの?」
首に掛かるポップコーンバケツを指す。
「翔くんそのままで行ってやぁ」
答えたのは中島ではなく横山だった。
「え?マジで?」
「おぅ、マジで。その方が絵的に面白いやん。
数字のこと考えてや」
視聴率を言われると反論できない。
「わかったよ。で、つぎ、どこ?」
「ランチ兼ねてスペシャルメニュー食べるよ。
あっ、みんなは後でね?途中休憩入れるから」
横山の声に「あざーす」って声が返ってきた。