第4章 BOYS LIFE <双子2歳>
直後のスタジオ。
「小山、なにあの振り。
俺、まだなんかやらされるの?」
「人聞き悪いなぁ、先輩。
カンペ通りですよ」
その小山の顔を見て、額面通り受け取れない翔。
絶対、なんか企んでる!
そうは思いつつも大人な対応をする翔。
「ふーん。まぁとにかく、明日は頼むね、スタジオ」
「もちろんです。
翔さんは保育参観とパバのお仕事参観、頑張ってくださいね!」
にっこりと、天使のように微笑む小山。
「ちょっとまて!
お前、なんでそれ知ってるの?」
突然の一言に驚きを隠せない翔。
「なんでって…ねぇ?」
小山の視線の先にはフロアーディレクターの横山がいた。
「そりゃ、知っとるわ。
雅紀と潤からメール来たし」
「『メール来たし』ってなんで知ってるの?
あいつらのアドレス」
半ばパニック状態の翔。
「え?前に会ったときに交換したし」
としれっと言う横山。
「俺は以前、取材でお会いしたときに挨拶して…。
それからたまにメールしてますよ?」
とにこにこ顔の小山。
むしろ、知らなかったのが不思議という顔をしている。
「嘘だろ…」
小さく漏れる翔の呟き答えるように小山が言う。
「嘘じゃないですよ。
明日の放送予定も伝えてますし」
「濡れんで、双子たちがお前のこと見れる場所もセッティング済やし、伝えてあるで」
追い討ちをかける横山。
スタジオに翔の大きなため息が響いた。