• テキストサイズ

【ハイキュー】ウシワカイモウト第二部

第39章 ・義兄、遠征中の話 その5


「よりによって東京にまで、ああああ何て事。」
「わああああっ、文緒さんしっかりしてーっ。」

またもふらつく文緒に谷地が慌てる。

「おい、病院行くか。」

影山までもがかなりズレてるとはいえ気遣いをする始末だ。文緒は大丈夫だよと答えてから俯いてぷるぷると震える。だが程なくパッと顔を上げた。

「どこまで本当かわからないけど本当だったらやっぱり帰った時にご飯抜きにしちゃおうかな。」

たちまちのうちに日向がええええっと叫び影山が固まり谷地がなんですとぉっと飛び上がる。

「お前、見た目の割におっかねえな。」

硬直が解けた影山がボソリと呟いた。まあ天下のウシワカに対しご飯抜きにするなどと言えるのは早々おるまい。

「そんな事ないよ。」

文緒は答えるが谷地がいやいやいやっと片手をパタパタさせている。

「私だったらウシワカさんにそんな事絶対言えないっ、命に関わっちゃうっ。」
「大袈裟だよ谷地さん。」
「文緒さんやっぱすげぇ、流石ウシワカ妹。でもあの人にそんなのきくの。」
「兄様だって機械じゃないから少しは考えるんじゃないかな。まあそれもこれも本当だったらの話だから。あれ、みんなどうしたの。」

日向と影山と谷地は集まって文緒をじーっと見ている。

「やっぱり」
「ウシワカ妹」
「すごい。」
「そこ連携するところなの。」

日向、影山、谷地の順でご丁寧に言われてしまい文緒はため息をついた。


立ち話もいいがそろそろと烏野の3人と白鳥沢の1人は歩き出す。

「この辺歩いてるだけでも知らない人に兄様の事で話しかけられるのに万一東京行ったらどうなるのかな。」
「向こうがお前の顔知らないなら大丈夫じゃねーのか。」
「それもそうだね。」
「え。」
「日向、えって。」
「ごめん文緒さん、夏休みに谷地さんちで一緒に撮った写真研磨に送っちゃった。」
「それいつ。」
「えと、あの後割とすぐ。」
「何て事っ、日向ーっ。」
「ひいいいいい文緒さんおちおち、落ち着いてえええええ。」
「おいウシワカ妹、日向の襟引っ張っても意味ねーぞてかあんま掴めてねーし非力か。」
「影山君それ火に油だよおおおおおお。」
「文緒さんごめんってええええ。大丈夫だって研磨はそこいらにベラベラ喋る奴じゃねーもんっ。」
/ 277ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp