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【ハイキュー】ウシワカイモウト第二部

第34章 ・無防備と漫画雑誌


あまり追求してほしくなかった為文緒は困ったが義兄が岩石のごとく動かない気配だったので渋々もう一度雑誌を手に取り思わず閉じたページを再度開く。

「これがどうかしたのか。」
「服を着てないも同然の絵だったのでびっくりしました。それとつい自分の体型が気になって。」

2つ目を言うのは文緒にとってかなり辛いものがある。

「二次元の娘と比べても仕方あるまい。」

一方義兄はバッサリと斬り捨てた。ちらりとプロポーション抜群の美少女の絵に目をやるがすぐに文緒へ視線を戻す。

「体型を気にしているのは知っているが現実としてお前は人目を惹く事がしばしばだ。故に胡乱な奴も寄ってきた。」
「兄様。」
「わかったならくだらない考えは捨てろ。」
「はい。それよりお邪魔してしまったので部屋に戻ります。」
「それは駄目だ。」
「兄様は寂しがり屋さんでもないのに本当に不思議です。」
「こうするのが気に入っているだけだ。」

文緒はふふと笑う。

「私もです、兄様。でも人前は駄目です。」
「そうか。」
「ご不満そうですね。」
「少しな。それと近々遠征で俺は家を空ける。母さん達がいる時はいいがそうでない時は一層用心しろ。」
「はい、兄様。」
「隙を見て連絡を入れる。」
「そう気になさらずともご自身の事に集中してください。」
「無論それと併せてだ。」
「何て事。」

呟く文緒としては義兄が遠征先で知らない人を硬直させない事を祈るばかりである。

「話は変わるが」
「はい。」
「この雑誌をお前が手にしているのは違和感がある。」
「天童さんから渡されて教室に持って入ったら五色君がびっくりしてました。」
「そうだろうな。」
「一緒に読みましたが。」
「時折思うがお前と五色は日々何をしている。」

この時若利の脳内では義妹と後輩が子供が一緒に絵本を読んでいるかのようになっている図が浮かんでいる事を文緒は知らない。

「普通にお話ししているだけです。五色君がたまに予想だにしない行動に出ますがそれでも兄様よりは」
「何か言ったか。」
「いいえ何も。五色君はバレー部の漫画にブツブツ言ってましたけどその実楽しんでました。」
「そうか。」

うまく流せたらしい。義兄は何となく満足そうな雰囲気を醸し出す。
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